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【働】第2回「ワタシの店づくり物語」レポート 「喫茶めくる」オーナー 荒井めぐみさん

2016.11.24

第2回「ワタシの店づくり物語」レポート  

日 時:2016年9月28日(水) 14:30〜16:00  

ゲスト:ゴハンとオヤツ「喫茶めくる」オーナー 荒井めぐみさん

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プロフィール  大学卒業後、広島のカフェやケーキ屋さんなどで働く。

26歳の頃、もっといろんなカフェを見てみたいと京都に移り住み喫茶店で働く。

京都のカフェや喫茶店をたくさん見て自分のやりたいお店のスタイルが固まり30 歳で広島に戻り、

喫茶めくるを2012年2月にオープン。毎日試行錯誤しながら今に 至る。

中区十日市町にある、おしゃれだけれどどこかほっとするお店「喫茶めくる」。

モーニングがあったり、図書館があったりと「カフェ」よりも「喫茶店」がしっく りとくる素敵なお店です。

第2回目の「ワタシの店づくり物語」では「喫茶めく る」オーナーの荒井めぐみさんのお話を伺います。

 

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●夢のはじまり
   出身は山口県というめぐみさん。小学3年生の時に広島へやってきました。ごく 普通の家庭に育ち、

大学では家庭科の先生を目指す人が多く所属している生活文化 学科を専攻していました。

昔からカフェ巡りが趣味だっためぐみさんは、20歳頃 から「いつかお店をやってみたい」という憧れを

持つようになります。後に、共に 「喫茶めくる」を立ち上げる梅本智美さんと出会うのもこの頃で、

半分冗談のよう な気持ちで「一緒にお店ができたらいいね」と話していたそうです。

 

●単身京都へ
 大学卒業後、県内の大手飲食店のカフェでパティシエや接客スタッフとして4年 間働くも、

思い描いていたカフェの仕事とは違いました。  

一方で、大手の店ばかりが目につく広島とは違い、「喫茶文化」が根付き、小さ な店や昔ながらの店が

たくさんある京都に「こんな世界があるんだ」と魅力を感じ ていました。

売り上げを最重要視する働き方に疑問を持っていためぐみさんは、単 身で京都へ行くことを決意します。

 

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●「店づくり」のきっかけとなったある人との出会い
 京都へ来ためぐみさんは、老舗喫茶店「前田珈琲」で働き始めますが、共に働く 従業員として

老舗喫茶店「六曜社」3代目の奧野さんと出会ったことがきっかけで、 大きな転機を迎えます。

京都へ来て2年が経とうとしていた頃、「前田珈琲」で修 行中だった奧野さんが喫茶店への熱い想いを

形にしようと「店づくり」をすること に決めたのです。

立ち上げメンバーに誘われためぐみさんは「前田珈琲」を辞め、 奧野さんの新たな店「喫茶feカフェっさ」

の立ち上げに携わり、スタッフとして 働くことになります。  

京都では、気を張らずに自然に自由に「店づくり」がされていると感じためぐみ さん。

自分には絶対に無理だと思い込んでいましたが、京都へ来てからは「店づく り」が身近に感じられ、

「私にも出来るかもしれない!」と思えたそうです。  

奥野さんに出会って刺激を受けたこと、「喫茶feカフェっさ」の立ち上げに一 から携わったことで、

自分のやりたかったことが明確になっためぐみさんは、広島 で自分の店をつくることを決めます。

 

●オープンまでの道のり
 まず始めた物件探し。お年寄りからお子様連れも入りやすいようにと1階の店舗 を探していました。

サイズ感や無理をせずに続けられるお店のイメージとして「ヲ ルガン座」や「nice nonsense books」を

参考にするも、不動産屋さんになかなか ニュアンスまで伝えきれず苦労します。

やっとの事で物件が決まり、友人の旦那さんの会社「Rags-to-riches」に内装施工 をお願いしました。

何度も相談を重ね、めぐみさん自身も壁塗りなどを手伝いなが ら工事は進み、4ヶ月後には「喫茶めくる」を

オープンさせます。  

開業資金は貯金と親御さんからの援助資金でまかないました。

計算は苦手という めぐみさんですが、「喫茶feカフェっさ」時代の経験を参考にしながら売り上げ 計算を

しっかりと出し、親御さんを説得しました。この時にしっかりと計算を出し たおかげで、店を回すということを

現実的に考えることができたそうです。

 

●こだわりの数々
 京都では、喫茶店で本を読んだり、書き物をしたり、ゆったりのんびりと過ごす のは当たり前のこと。

そんなお客様がくつろげる場所にしたいと、店の名前には 「本をめくる」「ノートをめくる」の「めくる」を付けました。

「めくる」には 「人生をめくる」の意味も含まれているとか。店の一角には本のスペース「めくる 図書館」があり、

男女問わず選べるようにと色々な種類の本が揃えられています。  

そして、「喫茶めくる」のメニューといえば、美味しさも然ることながら、見た 目の可愛さやボリュームが特徴です。

自身も食べることや食べ物の見た目が好きで、 店のメニューはテンションが上がる見た目にしたかったとのこと。

テーブルの配置一つからも「お客様のために」という思いが伝わってくる「喫茶 めくる」。

準備の段階では、パートナーの梅本さんと共にカフェ巡りをし、二人で 相談しながら様々な事を決めてきました。

自分で判断を下さなければ物事が進まな いオーナーという立場に重圧を感じることもあるけれど、そんな時、

梅本さんが側 にいてくれることがとても心強いというめぐみさん。

迷った時には相談し支え合う。 二人の信頼関係の上に居心地の良い場所「喫茶めくる」が成り立っているように

感 じました。


   

●これからの「喫茶めくる」
 「ずっとあるものが好き」というめぐみさん。「喫茶めくる」も、流行を追うの ではなく、街に根付いて街の人に

愛される店にしたいそうです。「理想は、このま まであり続けること。だけど、お客様や街の人には

気づかれないように少しづつ進 化もしていきたい。」  

オープンから4年半、いつ来てもほっとできる場として、何度来てもごはんや ケーキに感激できる店として、

めぐみさんの思いが少しずつ現実となって「喫茶め くる」は街に無くてはならない店になりつつあります。

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●これからお店を始めたいと思っている人へ
 プライベートでもカフェ巡りが趣味で、趣味が仕事になっているというめぐみさ んですが、接客業を営む上で

「お客様の身になる」ことは大切だと考えています。  

実際に足を運び、自分で味わい、感じること。そして、自身が人との出会いで 「店づくり」を後押しされたように、

人との出会いを大切にし、感謝すること。と ても基本的なことですが、一番大切なことかもしれません。

  穏やかな口調の中にもめぐみさんの芯の強さや行動力を感じとることのできるお 話でした。

京都で出会った奧野さんとは、珈琲豆の焙煎をお願いする間柄として今 もつながりがあるそうです。

めぐみさんが大切にされている「人との出会い」や 「自分でできるサイズ感」は、これから「店づくり」を

考えている人にとって重要 なキーワードになるのではと感じました。

 

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第4回ワタシの店づくり物語 11月30日(水) 

ゲスト クラフトジャーナル 榎千恵さん をお招きします。

参加者募集しています。お申込みはこちらから。

 

 

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